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電気通信大学 先端超高速レーザー研究センター 小林孝嘉研究室

受賞


日本化学会賞受賞
超高速分光法の開発と極短寿命種・遷移状態の測定による化学反応過程
Development of Ultrafast Spectroscopy and Reaction Studied by the Observation of Ultrashort-life Species and Transition States

小林孝嘉氏は自ら開発した極限的超短パルスと広帯域広帯域検出器を構成要素とし、種々の性能で世界トップの高帯域極限的超高速分光装置を開発した。さらにそれを駆使して、従来はきわめて困難、或いは不可能とされてきた遷移状態を含めた超高速ダイナミクスを実時間で追跡する方法論を世界に先駆けて確立したことである。複雑な凝縮系および生体高分子のこれまで理論的な研究に限られていた化学反応遷移状態の構造情報を含む超高速反応の機構解明に多大な貢献をした。さらに、ノーベル賞受賞対象の絶対位相安定化法と異なり、その3つの困難点を解決した新安定化法を開発し、それによる絶対位相安定化超短パルスを用いて化学反応を制御する事に成功した。

(電気通信大学広報ページ)


Humboldt Research Award受賞
Development of ultrashort pulse laser and its applications to ultrafast spectroscopy

同賞は、ドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞であり、人文、社会、理、工、医、農学の各分野において、基本的な発見もしくは新しい理論によって後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。

小林特任教授は長年にわたって超短パルスの開発及びそれを用いた基礎・応用研究を推進し世界をリードする成果をあげてきました。
それらは、以下の研究・開発と関連する分野に極めて大きなインパクトを与えました。

  1. 世界最短パルス幅可視光レーザーの開発
  2. 超高性能スペクトル特性紫外・深紫外超短パルス光の開発
  3. コヒーレント軟X線単一パルス発生用に重要な搬送波包絡位相(CEP)安定化レーザーの開発
  4. 超高感度同時測定分光法による振動実時間分光・遷移状態分光研究
  5. 同時観察レーザー顕微鏡高性能超短パルス多色レーザーの開発
(電気通信大学広報ページ)


文部科学大臣表彰受賞
極限性能超短パルスレーザーと超高速分光法の開発

(電気通信大学広報ページ, 表彰状, )


島津賞受賞
極限的超短パルス光レーザーと超広帯域高感度検出系による極限的時間分解分光法の開発

(電気通信大学広報ページ, 表彰状, )


時間分解振動分光学会賞受賞
極限的超短パルスの開発 とその応用

松尾学術賞受賞
振動分光学の永年にわたる多くの重要な学問的貢献

世界最短可視光パルスレーザーの開発とそれを用いた分子の超高速動力学、特に分子振動を実時間的に測定し、これまで極めて困難あるいは不可能と考えられていた凝縮系の遷移状態における遷移状態の測定を可能にし、遷移状態分光の確立に貢献した。


日本分光学会賞学術賞受賞
極限的超短パルス光の発生とそれを用いた遷移状態分光法の確立

1997年まで10fs(fs=10-15s)以下のパルス幅を持つ光パルスは、800nm付近の近赤 外域に限られていた。候補者等は非同軸(ノンコリニア)配置のパラメトリックを用 いて、1998年初めて10fsを切る可視光パルスを発生し、更に、1999年に4.7fs、2001年 に3.9fsと世界最短パルス幅可視・近赤外光パルス発生に成功した。更に最近、パルス 絶対位相揺らぎが自動的にキャンセルする過程を考案し、低繰返し増幅器からの出力 の自動位相ロック法を発案し、実験で実証した。この方法が、絶対位相に敏感な高強 度レーザー励起軟エックス線発生に与える影響は極めて大きい。 更に超短パルスを超高速分光学の研究に適用して、その有用性を自ら示した。

サブ5フェムト秒光を用いて、ポリアセチレンやポリジアセチレンなどの共役高分 子を用いて、励起状態における振動モード間の動的モード結合の実時間的観測初めて 成功した。更に、ダシンスキー回転動的観測、動的インテンシテイーボローイング、 オージェ誘起振動倍音発生などの分子分光学において普遍的と考えられる新現象を 次々と発見した。

更に、極めて好感度低雑音な視覚に関与する視物質ロドプシンの光異性化過程で、分 子の一部分が回転しつつある瞬間の振動スペクトルを、目の当たりに見る結果を得 て、Natrueに発表した。更に、最近注目されている光エレクトロニクス材料の中の光 メモリーとして期待されるアゾベンゼンの光異性化の際にCNとCC伸縮振動の間で、変 角振動周期でエネルギーが往復することを実時間観測した。共役高分子の代表例であ り、2000年ノーベル化学賞受賞対象のポリアセチレンについて、20年前に理論予測された が、観測できなかったブリーザーからソリトン対への形成過程の直接観測に成功した。 1999年に「フェムト秒化学」によりノーベル化学賞を受賞したZeweilらは、気相分子の反 応生成量を時間分解測定し遷移状態分光を提案したが、遷移状態のスペクトル測定は 出来なかった。10倍以上高速な分光によって分子の遷移状態構造を初めて観測して 「遷移状態分光」を樹立し、しかも蛋白という複雑な分子に適用したのは小林氏らで ある。この方法は超短パルスが持っている広帯域スペクトルを有効に使っておりその 点でも、強力で普遍的な分光法であり、これにより多くの分子の超高速反応・非線型 光学機構解明が期待される。

日本分光学会は、昭和26年(1951年)に創立された学会 学術賞は毎年、分光学に関する優れた研究業績を持ち、学術の発展に特に顕著な功績 のあった者1名に贈られる。